羊のウォッシュチーズ(チーズ工房羊飼い/北海道)
先日、北海道からチーズを取り押せた。国産チーズの中ではそう多くない羊乳チーズを作っている工房、チーズ工房羊飼いさんのチーズ。
すべてのチーズを試せるギフトセット。左奥からモッツァレラ、羊のウォッシュチーズ、羊のセミハードチーズ、手前左からプロヴァのプレーンと白樺燻製。
いい眺めである。
まずはいちばん気になっていた羊のウォッシュチーズ。蓋を開けると、独特の匂いが鼻をつく。どういう匂いかというと例えづらいが、強いて言えば獣臭に近いかもしれない。(ごめんなさい!)苦手な人は苦手だろう。かなりクセの強いチーズを食べつけてきた家族ですらギブアップしてしまった。
中には油紙できれいにくるまれたチーズが。丁寧に作られているんだろうな。
油紙を開くといよいよ香りが強くなる。説明通り、表面はねばりがある。
匂いはかーなーりきつい。強い。羊乳の香りではなさそう。ウォッシュでここまでの香りになるのか。
香りは強烈なものの、味はそうクセはない。が、しょっぱい。確かにワインなどと一緒に、クラッカーに少量ずつつけていただくチーズ。
どれくらい少量かというと
中心の角度何度の扇型だよ、というくらいの量。
クラッカーに乗せるとこの程度。ぬるぬるしているし、匂いが手につくと気にする人も多いだろうし、何かと合わせることで濃い味を少し希釈したほうが美味しくいただけるのでクラッカーは必須。多すぎると匂いの関係で食べにくくなる。
工房がおすすめの食べ方としてパスタを紹介されていたので作ってみた。ベースになるチーズは同工房のプロヴァだが、そこにこのウォッシュチーズを少し加えるとコクが出るとのことだった。しかし、パスタ全体にこのチーズ独特の匂いが広がるのはどうかと思い、控えめ(二人分のパスタに1/6程度)に入れたところ、あまりよく味が分からなかった。思い切って1/4くらい加えても良かったのかもしれない。
羊のミルクは濃厚で、まるで練乳のような甘みがあるのだがそれが生かしきれていないのが残念。熟成や衛生上の問題で塩分を強めにせざるを得ないのだろうが、繊細で濃厚な羊の味わいが、塩味が強烈な香りとともに前面にでてきていていまひとつ感じられない。
丁寧に作っている印象を受けただけに残念。