パッ…パパパパパルミジャーノ・レッジャーノっ!

パルミジャーノよりモッツァレラやリコッタが好きです

カマンベールチーズ食べ比べ 

  国内で生産されたナチュラルチーズは種類が豊富で、チーズの製造技術はイタリアやフランスなどチーズの本場で伝授されたものが基本であるが桜が乗せてあったり、柏の葉でくるんであったり、日本酒でウォッシュしていたりと個性が豊かで工夫が凝らされている。各地の工房にチーズを注文して、クール宅急便の箱が届くたびにどんなチーズが入っているのだろうとわくわくする。

 しかし、一番食卓に上りやすいのはやはり近所のスーパーでよく見かけ、食べたいと思ったらすぐに手に入るチーズだろう。当たり前だが手に入りやすいチーズだからといって味が落ちるわけではない。今まであまり気にすることなく口にしていたが大手の大量生産されているチーズでも美味しい、また食べたいと思うくらい美味しいものが多いことに改めて驚かされた。

 今回は職場の近所のスーパーマーケット2軒で購入したカマンベールチーズを何種類か比較してみた。なぜカマンベールチーズを選んだかというと、国産ナチュラルチーズのなかでもスーパーで手に入る商品の種類が多かったからである。要するに一番普及しているということ。

 それにしてもこのカマンベールチーズ、食べ頃の時期のものをプラスチックの容器に入れて密封しているのでどの製品も数ヵ月はもつという、ナチュラルチーズでありながら保存性にすぐれるというプロセスチーズの性質も兼ね備えている。開封したら熟成は進んでしまうが、開封さえしなければ日持ちするという安心感から買う人が多くなるのではないだろうか。値段も大きさも手頃で、家で一人酒するのにおつまみがほしいという人も手を出しやすいだろう。

 

 雑談はこれくらいにしてまずは小岩井クリーミーカマンベールチーズ。

 先日紹介した6Pチーズはかなり濃厚だったのでこれもこってりした系統かな。

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・・・と思いきやこの断面。切っても形が崩れない。熟成初期が食べ頃でパッケージングしているのか、熟成してもこのままなのか。本当ならパッケージの密封を破って、冷蔵庫で熟成の経過を追うべき所なのだろうが、開閉の多く温度が一定ではないうちの冷蔵庫が熟成に適した環境だとはとても思えない。そして何より早く食べたい、開けてすぐ食べることを前提とした商品のはずなので即試食。

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  同メーカーの6Pチーズほどのしつこさはない。牛乳の風味はしっかりしつつ、脂質のいやな後味はない。ナッツのような脂肪の甘味があるがそれが後に残らずすっきりとした味わい。塩味は薄くはないが、強くもない。今回紹介するなかでは中程度といったところ。 

 

  続いて、スーパーやコンビニにある二大カマンベールチーズのひとつ、雪印北海道100カマンベールチーズ。ワインに合うということだが、中の人はお酒最近飲めないので昼間に単体で試食。チーズは原則そのまま食べる。

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  ちなみに断面はこんな感じ。切るととろとろのチーズがナイフの刃に付く。人に出すときはクラッカーやパンに乗せてお出しすると手を汚さずに食べられる。

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  白かびの外皮は薄くて大変食べやすい。恐らく小岩井のカマンベールより更に薄い。

  さすがワインと相性が良いと言われているだけあって、塩味は今回のカマンベールのなかでもっとも強い。ただ、旨味もかなり強いのでそのせいもあるかもしれない。お酒と一緒にいただくならこっち。

 

 スーパーやコンビニにある二大カマンベールチーズのもうひとつ、meijiの十勝カマンベール。meijiか雪印なら、中の人は断然meijiです。どちらもとてもとても美味しいのだが。

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 雪印同様、こちらのカマンベールも外皮が薄く、中はとても柔らかい。マイルドで塩は強くない。中程度。まろやかな味の方が好き。なのでこっち。 

 

 そしてロルフのカマンベール。こちらはデンマーク直輸入。

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 同メーカーのベビーチーズカマンベール味が濃厚で素晴らしかったので期待をしたのだが・・・その濃厚さとは正反対のあっさりした味。熟成は初期段階か。比較的固めで外皮も特別厚いわけではないが雪印や明治と比較すると厚目で固い。加熱するといくらか風味がわかる。これといった特徴がなくて、やや期待はずれであった。

 

よつ葉十勝100カマンベールチーズ。

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   フランスのイズニー社と技術提携をして製造しているとのこと。

  あっさりかこってりかと言われるとあっさりの部類に属するだろう。塩味も控えめ。舌触りも滑らかなのだが、ややパルミジャーノや他のハードタイプのチーズのような非常に細かい結晶のようなものを感じた。別に否定的な要素ではない。優しい、上品な味。しかし、上品すぎて印象に残りにくい・・・かもしれない。間違いなく美味しいのだが。

 

最後にフランス直輸入、ジェラールのカマンベールチーズ。

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  扇形に切ると潰れずきれいに切って取り出すことができる。

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 他のカマンベールチーズと違って、中でチーズをくるんでいるのが不織布。セロファンより剥がしやすく、包み直しやすい。外皮がマットな質感になって口当たりも良い。

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   塩味は控えめ。中はしっかりとした固さで手に取りやすい。これも上品な味。こってりしているわけではないが、あっさりし過ぎて物足りない感じもしない。もう少しカマンベール独特の風味があった方が私は好きである。