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パルミジャーノよりモッツァレラやリコッタが好きです

 フロマージュ・ド・みらさか/シェーブル(三良坂フロマージュ・広島)

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www.cheese-tours.com

 Mondial fu fromageは世界的なチーズ、そしてチーズのプロフェッショナルのコンテスト。みらさかシェーブルは金賞を受賞している。他の工房のチーズも複数入賞し、チーズプロフェッショナルの中にも日本人の名前が複数ある。よく「ヨーロッパに負けない本場の味」がチーズのほめ言葉として言われるが、もうここまで来れば欧米のコピーではなく、日本のチーズの味を確立していってもよいのではないだろうか。そして「ヨーロッパに負けない」だなんて言わなくてよいのではないだろうか。

 

 

 さて、みらさかシェーブルの味に戻ろう。

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 柏の葉に包んである白カビタイプの熟成チーズ。表面は柔らかく、油断をすると外皮を破ってしまいそうなほど。熟成初期と熟成後期では味が全く異なるとのこと。

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 円形のチーズなので例によって扇形に切り取る。熟成初期の断面はこんな感じ。周囲はすでに柔らかく、粘りのあるクリーム状であった。芯の部分は同工房シェーブルフレと比較すると水分がずっと少なく、見た目よりもずっと硬かった。

 

 白カビの外皮は滑らかで薄く、口に残らない。ヤギの香り、風味はかなり強い。チーズを食べつけていない人にはクセが強すぎて口に合わないかもしれない。

 

 恐らく今まで食べてきたヤギのチーズの中で最もヤギ風味が強い。ヤギ味、しょっぱさ、すっぱさ、まろやかさ、苦さ、全てが混在していて複雑な味。硬めのカードのなかに味が凝縮されているので何か他の食材を合わせて少し希釈したほうが良いのかもしれない。一緒に合わせる食材の必要性を、生まれてチーズを食べだして初めて感じた。

 チーズは何も合わせず、ありのままを食べて楽しむのが原則であったのでこれには正直戸惑った。実は口に合っていないんじゃないか、自分が正しく味を評価できていないんじゃないかと思ったりしてショックでもあった。しかし、最終的にはチーズを楽しむ方法の幅を広げる良いきっかけとなった。コショウやナッツが初めから練りこんであるチーズを買おうとはやはり思わないが(笑)果物やナッツはこれから合わせて食べてみようと思った。

 

 

 熟成初期は酸味が強い。塩味も強めである。優しい苦みもあったがこれは柏の味か、ヤギの乳脂肪の味か。乳脂肪はあまり多くはないはずだが多分後者だろう。複雑な味で美味しいのだが、味がどれも濃いので立て続けに食べられる食べやすさではない。間違いなく美味しい。美味しいのだが、これもゆっくり少量ずつ味わうチーズのようだ。

 

 熟成後期。賞味期限の1週間前が食べごろとよく言われているのでその時まで残りのチーズを柏の葉に包んで待った。工房の案内通り、酸味が抑えられ、濃厚なチーズに変身していた。芯の大きさは予想していたほどは小さくなっていなかった。熟成が進んでも芯は残るのではないだろうか。

 

 Twitterでも呟いていた通り、ドライみかんに合わせてみた。しかし、みかんの風味とチーズの風味、両者強すぎた。

 次に、皮の薄いグリーンレーズンに合わせてみたのだがこれが思いがけず正解だった。グリーンレーズンはチーズの味を邪魔せず、しかし、塩味や苦み、ヤギ味を見事に丸くしてくれた。

 ヤギのチーズは果物の他にナッツやはちみつを合わせるのが定番らしい。はちみつは合わせてみたがこれまたチーズの風味とケンカしてしまったので却下。次回はナッツでトライしてみようと思う。

 味が濃いので、クラッカーなどに乗せるときも少なすぎるくらいの量からスタートすると良いのではないだろうか。

 

 

 

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